「Change in values」

企画集合写真

1回生のきみちゃんです。
 去年の6月頃に近コンに入会し、人との新しい出会いに非常に恵まれた一年となりました。 それまでは自分の出身校で出会ったろうの友だちしか持たなかったのが、近畿全体あるいは全国単位で様々なバックグラウンドを持った友人ができました。
 単に友人ができただけでなく、「手話」を使って深く話し合うことで、今までに知りようのなかった新たな知見が得られました。そして、ろう者にとって「手話」がいかに自分たちにぴったりなじむ言語であるか、ということを生まれて初めて認識しました。この体験は近コン内でも同様です。
 コラムのテーマとして近コンで出会った人」が与えられましたが、出会った一人ひとりの方が皆面白くて、豊かで、賢かったので、誰かひとりに絞ることはできませんでした。あえて言うなら、出会った人全員と言うのがふさわしいかな?と思います。
 普段はそれぞれ一般の世界に溶け込み、聞こえる人たちと一緒に過ごしています。その生活も楽しいですし悪くない(もちろん個人差はあります)ですが、ただ、やはり聞こえないが故のハンデが常につきまといます。思う時に思うことをそのまま周囲に伝えることができない、周りの状況が分からず黙ってしまう、など…
 そんな人たちが一堂に会したとき、彼らそれぞれが抱えている秘めた思いがドカンと爆発し、更に、それがお互いの成長を促進させるという理想的なシチュエーションになります。このような状況下にいることができるという点で、むしろ聴者よりも私たちろう者の方が恵まれているかもしれません。
 実際、私も近コンに出会ったこの1年で大きく価値観が変わり、同じろう者の中でもさまざまな刺激的な考えがあることを身をもって感じています。
それまでは閉鎖的な空間にいるろう者しか知らなかったため、こんなに開かれたろう者の世界の存在を知り、その中に入り込むことができて幸福を感じています。
 これからの3年間起こるであろう更なる価値観の出会い、それによる自分の変化が今から楽しみです